2017年11月01日更新

以下はDigitalVision社が発行している、Nucoda / Phoenix用の技術文書
2017.1 Features Overview (PDF) の抜粋翻訳となります。
原文との齟齬が生じている場合には、上記オリジナルファイルの内容が正しいものとして優先されます。

Nucoda / Phoenix 2017.1 新機能リスト (Nucoda / Phoenix共通)

■GPU処理範囲の拡大 Enhanced GPU support
バージョン2017.1ではGPUの機能を、よりリアルタイムプレビューのために使うようになりました。 詳しくは以下のマニュアルにも記載がございます。

● Manual - GPU Preview and Caching (英語)
http://www.digitalvision.tv/w/index.php?title=UM:GPUPreviewCaching
● Support - GPU FAQ(英語)
http://www.digitalvision.tv/w/index.php?title=Support:FAQ/GPU

■新リアルタイムウェーブフォームモニタ&ベクトルスコープ
SDI出力へのGPUオーバーレイもしくはGUI上、またはその両方に、
リアルタイムに表示が更新されるウェーブフォームモニタとベクトルスコープが実装されました。
マウスを使った画面上の指定した領域の計測についても対応をしています。

[ 対応カラーレンジは 8 bit, 10 bit, 16 bit, 0-1, 0-2, 0-4, 0-8, 0-16で
Rec.2020 におけるPQと、P3にも対応しています。 ]

■タイムラインキャッシュ表示についての説明
●タイムライン上のキャッシュ表示が何もない(無色)の場合
タイムラインのその部分にあるファイルはキャッシュされる処理がなく
そのまま再生されることを表しています。

●タイムライン上のキャッシュ表示が細いオレンジ色の線の場合
GPUレイヤーが存在しているが、キャッシュされていないことを表わしています。
マスターレイヤーで画郭を変えるFITなどが選択されている時もこの表示になります。
原則、この状態でもCPU/GPU両方の処理で、リアルタイム再生が可能です。

●タイムライン上のキャッシュ表示が濃い赤色の場合
クローンキャッシュが作られる予定のDPX/EXRがあるが、まだその部分にはクローンキャッシュが作られていないことを表わしています。

●タイムライン上のキャッシュ表示が濃い緑色の場合
上記クローンキャッシュが作られた部分を表わしています。

●タイムライン上のキャッシュ表示が濃い緑色の下に細いオレンジ線がある場合
クローンキャッシュが作られた部分で、且つキャッシュされていないGPUレイヤーがあることを示しています。

●タイムライン上のキャッシュ表示が明るい緑色の場合
全てのレンダリング可能なレイヤーがレンダリング済みであることを示しています。

●タイムライン上のキャッシュ表示が明るい緑色の下に細いオレンジ線がある場合
レンダリング可能なレイヤーの一部がレンダリング済みであるが、まだレンダリングされていないGPUレイヤーが存在することを示しています。

★このオレンジ線がある部分はGPU処理により、レンダリングなしにリアルタイムに再生できる可能性があることを示していますが、テープへの書き出しなどリアルタイムに再生されることが必須の場合にはレンダリングされる必要があります。


■ACES cct 1.0.3 対応
ACES ccのトーンカーブに対して、暗部の処理に「LOGカーブ」状のスロープを持たせた部分だけが異なる、ACES cct 1.0.3 にも対応をしました。
ACES cct は上記仕様のため、カラーコレクション時の暗部コントロールが、LOGカーブの扱いに慣れた方にとって、使いやすい仕様となっています。

■Scale to Full range in ACES
ACESプロジェクトでAVID MXFファイルを扱っている際、
ファイルをMXF OP Atomでエクスポートした場合、
自動的にメディアはSMPTEからフルレンジに変換がされます。

■ACESリニアでの合成について
ACESccやACEScctにてリニア素材の合成をすると、
時にアルファマットに起因する問題で予期しない結果が生ずることがあります。
その場合にはコンポジットツールに新たに付け加えられた
"Apply in Linear ACES"をチェックすることで改善することがあります。

■ACES ODTの追加
"Rec.2020 D65 ST2084 Clamped to P3" が追加されました。

■HDR関連
・Dolby Vision サポート
このバージョンのNucodaはDolby Visionでの作業に対応したリリースが含まれております。
Dolby Visionの作業には別途ライセンスが必要となります。

■AJA 12.5.0 ドライバーのサポート
・AJA KONA4 のドライバーが12.5.0対応となりました。
このバージョンでの新機能の一つとしてHDMI2 経由でのHDRデータのサポートがあります。
これによりHDRに関するカラリメトリ、EOTF、ガマットなどの設定を行うことができます。
上記設定は、現在とのところAJAコントロールパネルからアクセスが可能です。

AJA KONA4に関する以下の新機能も対応しています。
・3G Level AでRGB444のHD、30fps以下のUHDのサポート
・AJAコントロールパネルから、水平・垂直タイミングの調整を行えます
・VTRへ出力中、Inputビデオ表示が乱れることがあり、その対策として
SDI出力中AJAのフレームバッファに黒をフィードバックさせることができる機能の追加
・デジタルベータカムなどのSDI信号にTCが載っていないVTRからの収録に対応

■EDL読み込み強化
・作業中のEDLと異なるベースフレームを持つEDLを読み込んだ際に、
タイムコードを自動で修正し読み込む設定を追加。
これにより修正されたタイムコードは正しくない可能性がありますが、
何らかの参考として使うことができるかもしれません。
どの部分が修正されたかはEDL読み込み時に表示され、そこには赤いマーカーが追加されます。
・Autodesk由来のEDL対応強化

■Single GUI Monitor オプション
Nucoda/PhoenixのMonitoring I/O に "Display Image only on SDI" 項目が追加。
"Display Image only on SDI"がオンの場合、従来と同様にGPU Readbackが
オンの場合、映像はSDI経由からのみ出力されます。
"Display Image only on SDI"がオフの場合、GPU Readbackがオンの時、
オーバーレイを含むGUI表示は、SDIにもGUI(PCモニタ上)にも同時に表示されます。
オーバーレイでのシェイプの編集などは、レスポンスの良いGUI表示の方で作業することができ効率的です。

■インデックスマット
レイヤーのMatte Sourceで"Matte From Index"を選択した場合、
その画像が持つアルファチャンネルの明度をindex Number項目で選び
その間の指定された輝度部分のみをマットとして使えるようになります。

■新DVOフィルタとDVOフィルタの改善

・DVO Frame ・・大きく壊れたフレームを、DVO Twisterの技術でフレーム生成します。

・DVO Grain GT ・・DVO GRAINより約2倍速くグレインを取り除く。
キーヤーは持たないので、画面の部分にかける際にはFXレイヤーでご使用ください。

・DVO ZOOM ・・画面の端に黒い線が出る可能性がある不具合を修正。
 ROI(関心領域)パラメーターの追加。レターボックスされた映像など、
 黒味がある映像について適切に処理ができるようになりました。
 ブランキング・エッジについてシャープorソフトが選択可能に。

・DVO Print Align Seq ・・RGBそれぞれのコマが1本のフィルムに連続して
 記録されている記録形式の映像を正しくデコードし、また位置の修正も行います。

■Pan&Scanフィルター機能追加
・エッジ縮小 (Edge Shrink)
・エッジソフトネス (Edge Softness)
・Softness & Sharpness フィルタ

■DVO Classic フィルタには以下のDVOフィルタが含まれます。
・DVO Chroma
・DVO Alias
・DVO Pixel
・DVO Grain GT
・DVO Steady

■Tiffin Dfx OFX Proプラグイン バージョン5 に対応

■Tangent コントロールパネルにアサイン可能なショートカットが追加

■Gamma Matrix フィルターの値が、クリップボードまたはファイルからインポート可能に。

■AVID MCが扱うクリップ名に不正なWindows文字が入っていた場合、
 Nucodaはメディア出力時にその部分を _ に置き換えて出力します。

■EDL拡張(Nucoda形式)
Nucodaシステム間でやりとりするEDL形式を拡張し、
マットやレイヤー情報を含めることが可能になりました。

■Phoenixにつきましてはさらに以下の変更、改善が行われています。
・Phoenix Touch Plus オプション追加
  Phoenix Touchに、DVO Dry Clean/DVO RGB Regrainフィルタを追加できる
  オプションが選択可能になりました。
・Phoenix Finish でカラーコレクションレイヤーが使用可能に
  Nucodaと同等のCCレイヤーがPhoenix Finishでも使えるようになりました。
・Phoenix TouchでPan&Scanが利用可能に

以上

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