シンガポール　2022年6月22日 - Blackmagic Designはこの日、先日発表された自動車メーカーの神龍汽車と中国の旅行ウェブサイトの馬蜂窩によるプジョーのSUVのプロモーションビデオの制作に、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kデジタルフィルムカメラと、編集、グレーディング、VFX、オーディオプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioが使用されたことを発表した。杜帆スタジオにより制作された同作は、冬の長白山脈へのドライブの様子を捉えている。

神龍汽車は、中国国内の様々な観光地へプジョーを試乗できるサービスを提供しており、プジョーを運転して中国の自然と文化を楽しめるようになっている。同作はその一環として撮影され、雪の舞う冬のドライブの楽しさをプジョーファンに紹介するために制作された。

昆明市に拠点を置く杜帆スタジオは、ドキュメンタリー、CM、ミュージックビデオの制作を行っている。同社はこれまでに多数の受賞歴があり、プジョーのCM「探秘三江源」は2021年には中国のコンテンツマーケティング賞で金賞を受賞している。

同作のディレクターを務めた杜帆氏は、Blackmagic Designのカメラを長年使用している。同氏が大学生当時だった2014年に触れたオリジナルのBlackmagic Pocket Cinema Cameraが最初のBlackmagic Design製のカメラであり、その後、Blackmagic Production Camera 4KおよびPocket Cinema Camera 4Kを撮影に使用してきているという。

「初代のBlackmagic Pocket Cinema Cameraは、当時多くの映像作家が使用していたDSLRカメラのフッテージと比べて、RAWフッテージの画質は遥かに優れていることを気づかせてくれたカメラです。後継機種であるPocket Cinema Camera 4Kは、その利点を引き継いでいるだけでなく、デュアルネイティブISOやBlackmagic RAW、5インチのタッチスクリーンなどの便利な機能が追加されているので、弊社のドキュメンタリー制作チームは、3台のPocket Cinema Camera 4Kを一度に購入しました。当時、中国で最も広く使用されているビデオアプリの一つである快手の作品を人里離れた山の中で撮影していました。ある雨の日、暗い空の下で撮影する必要があったのですが、少人数のスタッフだったため十分な照明を携行しておらず、ISOを上げることで対処したのですが、得られたショットには大変感心しました」と同氏は語る。

それ以降、同氏の手がけた主要な作品はPocket Cinema Cameraで撮影された。これには、金賞を受賞したCM「探秘三江源」や西湖国際ドキュメンタリー映画祭の最終候補に残った「Happiness」などが含まれる。

「プジョーのSUV車のドライブの様子をキャプチャーしたプロモーションビデオである『探秘三江源』は、チベット高原で撮影しました。ロケ地の最も高い海抜は5,000メートルに及び、極寒の中、砂嵐が発生することもありました。このような極限の状態でも、Pocket Cinema Camera 4Kは不具合が生じることもなく、信頼でき、安心して撮影を行うことができました。長白山脈での新作プロモの撮影における最大のチャレンジも寒さでした。そこで、前回の経験から、この撮影にも再びPocket Cinema Camera 4Kを使用することを決め、2台を持っていきました。念の為、バックアップとして2台のミラーレスカメラを持っていきましたが、最終的にはこの2台は使用しませんでした。」と同氏。

長白山脈での撮影中の平均気温はマイナス20度を下回り、最も寒い日はマイナス40度近くになった。山頂にある天池では強風が吹き付け、体感気温はさらに低くなったという。「そんな状況でも、Pocket Cinema Camera 4KのLCDタッチスクリーンは正常に機能していたので、そのまま使用を続け、すべてをPocket Cinema Cameraで撮影しました。幸いにも、H.265で収録するバックアップのミラーレスカメラを使用する必要はありませんでした。これは、ファイルサイズがとても小さいのですが、Blackmagic RAWより扱いにくく、画質も劣ります」と同氏は語る。

この撮影は限られた時間内に所定のルートを完了する必要があったため、撮影スタッフは機材のセットアップに割ける時間がほとんどなかった。「ロケ地のセットアップに時間をかけたり、大型のカメラを使用してショットの撮影に多くのスタッフが関わって時間を費すことはできなかったので、そう言った点でPocket Cinema Cameraには助けられました。Pocket Cinema Camera 4Kは、サイズも大きくなく、重量も軽いので持ち運びやすく、カメラをオンにするだけで、必要なショットが撮影でき、操作性に優れています」と同氏は続ける。

また、Pocket Cinema Camera 4Kの内蔵マイクは高品質なため、ドキュメンタリー作「Happiness」の音声は、カメラに内蔵されたマイクのみで録音された。

プジョーの新作プロモの編集およびグレーディングはDaVinci Resolve Studioで行われた。「DaVinci Resolveは、編集、カラーグレーディング、VFX、オーディオを1つのソフトウェアで実行できます。これらはすべて非常に便利で、作業を大幅に効率化できます。」と同氏は締めくくった。