「ミズ・マーベル」、DaVinci Resolve Studioでフィニッシング

  • Blackmagic Design
「ミズ・マーベル」、DaVinci Resolve Studioでフィニッシング

カリフォルニア州フレモント 2022年9月29日 – Blackmagic Designはこの日、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新シリーズの一つである「ミズ・マーベル」のグレーディングおよびフィニッシングに、編集、グレーディング、VFX、オーディオプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolve Studioが使用されたことを発表した。

マーベル・スタジオのオリジナルシリーズ「ミズ・マーベル」は、ニュージャージー州ジャージーシティ出身のイスラム教徒のアメリカ人少女であるカマラ・カーン(イマン・ヴェラーニ)を主役としている。熱心なゲーマーで、ファン・フィクションを書くことを趣味とするカマラは、妄想がちなスーパーヒーローの熱狂的ファンで、特にキャプテン・マーベルに対する情熱は飛び抜けている。しかし、カマラは学校に溶け込めず、時には家でも孤立感を覚えていた。そんな生活は、カマラが常に憧れていたヒーローのようなスーパーパワーを得たことで一変する。同シリーズは、テレビ放映向けにビシャ・K・アリ(Bisha K. Ali)氏により創作され、アリ氏、ケヴィン・ファイギ氏、ルイス・デスポジト(Louis D’Esposito)氏、ビクトリア・アロンゾ(Victoria Alonso)氏、ブラッド・ウィンダーバウム(Brad Winderbaum)氏、アディル・エル・アルビ(Adil El Arbi)氏、ビラル・ファラー(Bilall Fallah)氏、サナ・アマナット(Sana Amanat)氏がプロデューサーを務めた。

この新番組用の独自のルックを作成するにあたって、マーベル・クリエイティブフィニッシング・スーパーバイザーのエヴァン・ジェイコブス(Evan Jacobs)氏はカラフルなスタイルの採用に向けて他のスタッフと話を詰めていったという。「本作のクリエイティブチームは、彩度の高い鮮やかな色を強く求めていました」とジェイコブス氏は語る。「MCUの枠組み内でありながら非常に異なるルックとなり、最終的な結果をとても誇りに思っています。」

DaVinci Resolve Studioを使用し、カラリストのマット・ワトソン(Matt Watson)氏は初期段階からVFXに関わった。「マーベルでは、ポストプロダクションのできるだけ早い段階から多くの時間をVFX部門と費やします」とワトソン氏は語る。「VFXに関する初期計画が立ち次第、デジタルインターミディエイトに招き、VFXがどのように機能するか確認し、また撮影されたプレートとVFXが上手く機能するにはどのような手段を用いるべきかを検討します。」

「ミズ・マーベル」、DaVinci Resolve Studioでフィニッシング

VFXスーパーバイザーであるサンドラ・バレイ(Sandra Balej)氏との協力のもと、ワトソン氏とジェイコブズ氏は、番組全体とカーンの力を表現するためのダイナミックでありながら、落ち着いたルックを作成した。「サンドラとVFXチームと密接に協力して、グラフィックとデジタルインターミディエイトの供給者間での緊密な統合が可能となるワークフローを構築しました。」とジェイコブズ氏。「グラフィックに悪影響を与えずに、プレートの色をコントロールできる能力が必要でした。Resolveのライブグレーディング機能を使用して多数の合成を行うことで、これを実現しました。このプロジェクトでは、Resolveの合成機能を大いに頼りにしました。」

「Resolveで可能な限り構築しました」とワトソン氏は続ける。「分割画面とグラフィックのオーバーレイはすべてResolveで合成し、高い柔軟性を維持しました。第一話のグラフィックモンタージュは、14のレイヤーの合成トラックとグラフィックオーバーレイで、すべてのレイヤーをグレーディングする際には慎重さが要求されましたが、柔軟性が高いのでデジタルインターミディエイトの最終段階で非常に助けられました。」

始めの方のアベンジャーコンのシーンでは、多くのVFXとカラフルな美術が組み合わせて使用された。カーンが初めて自分の力を見せたシーンのバランスを適切に取ることは非常に重要だった。「カマラのエネルギーをどのように見せるかは、VFXとデジタルインターミディエイトの両方で色々と試行錯誤を重ねました」とジェイコブズ氏は続ける。「番組では”ハードライト”と呼ばれている光ですが、これは氷やクリスタルのようにすぐに見えてしまいます。」

ワトソン氏は、映像が混乱して分かりにくくならないように、はっきりさせることに焦点を絞って作業を行った。「アベンジャーコンのシーンは、サンドラとVFXチームと多くの時間を費やして、2つのカラフルな世界がそれぞれ区別でき、”ハードライト”の力が強調されるようにしました。多くのマットを使用して、2つの世界を繊細な形で区別しました」と同氏は説明する。

「ミズ・マーベル」、DaVinci Resolve Studioでフィニッシング

マーベルのポストプロダクション部門は、DaVinci ResolveのAPIを用いて、DaVinci Resolve Studioをさらにマーベルのパイプラインに統合し、ワークフローの手助けとなるカスタムツールを作成した。「JARVISと呼ばれる独自のツールセットを構築し、フロントエンドの多くのプロセスを自動化しています」とジェイコブズ氏は語る。「例えば、テイクセレクターを活用することで、コンフォームを行うエディターが多くの時間を費やすことなく、各ショットのVFXの全バージョンとベースのVFXプレートをタイムラインに配置できます。これにより、古いバージョンを比較できるだけでなく、コンフォームし直す必要なく、その場でVFXのバージョンを切り替えることも可能です。これは、納期の短い作業では、時間を節約できるので助かります。」

ワトソン氏はDaVinci Resolve Studioに内蔵されている機能の一部も気に入っているという。「Magic Maskは画期的なツールです。グレーディングで遥かに多くのことを実行できるようになります。Resolveは、私たちが頻繁に使っているSapphireとの互換性にも優れています。また、マルチユーザー・コラボレーション機能も多く使用し、複数のユーザーが同時に同じプロジェクトで作業を行いました。私がそのエピソードの作業を進めながら、VFXショットをバックグラウンドでアップデートしたり、グレーディングの修正を実行できました。これにより、クライアントとの確認作業が非常にスムーズで効率的に行えました。」

ジェイコブズ氏とワトソン氏はコンフォームから最終的な書き出しまで、DaVinci Resolve Studioの全機能を活用したという。「創造性を働かせて、Resolveのツールセットを新しい方法で使用することで、ポストプロダクションで可能なことの枠を広げています。極めて効率的なワークフローを構築し、自動化することで、クリエイティブなグレーディングにより多くの時間を費やし、ベースとなる作業が終わるのを待つ時間を減らしています」とジェイコブズ氏は締めくくった。

「ミズ・マーベル」は現在Disney+で配信中。

「ミズ・マーベル」、DaVinci Resolve Studioでフィニッシング
記事をシェア

お客様の課題や要件に合わせて
製品とワークフローをご提案します

お問い合わせは
こちらから

専門知識を持った担当者が
お客様の課題や要件をお伺いします

お電話でも
お問い合わせできます

平日9:00~17:00

03-3518-6273