関西大学 様

関西大学がAvidプラットフォーム導入で"学生ファースト"がさらに進化

左から日豊 営業部放送機器担当課長・安土真氏、
総合情報学部で学ぶ北垣貴寛君、
総合情報学部 岡田朋之教授、
フォトロン大阪営業所 西日本技術チーム・北田拓也氏、
フォトロン 映像システム事業本部プロダクト推進部プロダクトマネジメント第二グループ・池畑信介氏

1886年に創立された関西大学(以下、関大)は、現在、13学部、大学院15研究科を持つ関西屈指の総合大学である。キャンパスは大阪府内に5つあり、その1つ高槻キャンパスの総合情報学部がメディア制作向けのストレージ・プラットフォームAvid NEXISを導入し、映像制作実習システムのリニューアルを終えた。
実際の運用から見たシステム構築のポイントを同学部の岡田朋之教授や学生、リニューアル導入を担当した関係者に取材した。

(文・写真:吉井 勇・月刊ニューメディア編集部)

メディアリテラシーの基本を学ぶ

総合情報学部で学ぶ4年生の北垣貴寛君は、「自分の伝えたいことの切り口や構成を映像としてどう表現するかなどを学べたのが『映像基礎』や『映像応用』の実習授業だったと思っています」と振り返る。

『映像応用』担当の岡田朋之教授は、「映像によるコミュニケーションがインターネット上に大きく広がり、プレゼンテーションの機会も増えてきています。こうした変化に対応したスキルを育てるために、小型民生用デジタルカメラやスマホも使ってパソコン(PC)の映像編集ソフトで仕上げる制作実習を行っています。これからの社会人に必要な基礎的能力としてのメディアリテラシーを目指しています」と説明する。単なる制作スキルだけではなく、メディアとコミュニケーションの深い理解を大事にしていると強調する。「制作過程を経験することで、受け手・送り手の枠を超えたメディアの理解を深め、メディアをより使えるようにすること。それは単にクリエーターを送り出すだけでなく、将来的にプロデュース、マネジメント、加えてデバイスやサービスのデザインなどに携わる際にも大きな意義を果たせると考えています」。
そして「私たち教員は映像制作ノウハウの技能プロではなく、学生たちの側面からアドバイスする立場と考えています。編集ソフトのノウハウ習得は学生同士でどんどん伝わっていきますから」と岡田教授が話すように、学是に「学の実化(じつげ)」を掲げる関大らしい取り組みだろう。

制作実習は、スマホなどの自分のデバイスも使って何ができるかを学ぶ「映像基礎」から始まり、スタジオ生収録なども組み込んだ尺15分の長さのコンテンツづくりを課題にする「映像応用」、テレビ局の現場経験者のサポートを得ながら本格的な映像編集を学ぶ「映像プロフェッショナル」の3段階を用意している。

リニューアル導入のポイント

リニューアルするシステム提案はAvid・日豊・フォトロンによる共同で取り組んだ。システム構築デザインを担当した株式会社フォトロンの映像システム事業本部プロダクト推進部プロダクトマネジメント第二グループ・池畑信介氏は「リニューアル前のシステムもノンリニア編集ソフトEDIUSと共有サーバーで、素材や仕上がりコンテンツの共有をしていましたが、今回導入したストレージ・プラットフォームAvid NEXISは、EDIUS以外のAvid Media ComposerやAdobe Premiereでも利用できるようになりました。これら3つのメジャーソフトを学生は自由に選ぶことができるので、ストレスなく実習に取り組めるようになったのです」と、1つのポイントを話す。
「学生がマスコミ業界などへの就職を目指していることから、現場で使用することも多い編集ソフトのアプリケーションをすべて使えるように設計しました」と、学生の進路までを考えている。
また、Avid Media Composerのフローティングサーバーは国内初の導入事例で、ライセンスの一括管理ができる。これはライセンスの本数を超えるマシンにインストールすることができ、利用する数が購入ライセンス数を超えない限り、自由に利用することもできる。運営面でも大きいメリットとなる。受講希望の学生数が年度によって変わることに柔軟に備えられるからだ。

岡田教授は「OSも問わないマルチプラットフォームなので、制作の対象や意図によって編集ソフトを自在に扱うこともできます」と話す。また、学生の北垣君も「プロ仕様のレベルを感じますし、表現の範囲が広がった印象です」と好評のようだ。

関西大学・映像制作実習システムの概要

関西大学・映像制作実習システムの概要

実習で必要なシステム「共用」の対策

大学での授業でシステムを自由に共用する場合に必要な対応にも工夫がある。「学生がPCの設定を勝手に変更したり、誤操作の影響を極力抑えてほしいこと、操作しやすい設定などの要望がありました」と話すのは、システムの運用サポートや保守を担当する株式会社オレンジパオの制作部課長・松本太郎氏だ。
「大学教職員の方と導入前の打合せの時から考えてきたポイントです」。

これらの要望に対して池畑氏は「お客様の要望にシステム面で工夫することをフォトロンは大事な役割と考え、開発的な要素を含めて対応しました」と話し、次のような独自対応を挙げた。

  1. OS起動/シャットダウン時のローカルファイル削除、設定ロールバック、学内ネットワークのログアウト処理対応
  2. 上記処理のためのWindowsシャットダウン機能の制限
  3. 管理者権限によるソフトウェアのインストール制限
  4. ウイルス対策ソフトおよびログ追跡ソフトの導入

フォトロン大阪営業所・西日本技術チームの北田拓也氏は、「授業で使うためには、システムトラブルを起こさないことが大事ですし、安定した運用が欠かせません。大阪営業所では、技術スタッフの体制も整えています」と、フォトロンの万全なサポート体制を強調した。

ICT技術の日々新たな進歩は次々と新しい機能を提供する。大学などの一定期間を安定して運用するためのシステム導入では、大学側の要望をシステムベンダーへ正確に伝えることから始まる。しかも、時間が必要となるために要望が変わったりもする。そうした調整を日豊株式会社が引き受けた。営業部放送機器担当課長・安土真氏は「本システムのコンセプトを大学様に伝え、納得いただくことが主な役割でした。今後、スタジオ設備の更新を見据えてコミュニケーションを重ね、より良いシステム構築を目指していきたいと考えています」と話す。これからのメディア技術の進化を考えると、4Kや8K、さらに5Gといった先端技術も導入を考えていくことになるだろう。

ストレージ・プラットフォームAvid NEXISが入るサーバーラック

冗長性を確保する正副のシステム構成

学生も「役立った」と評価する
構築したシステム

総合情報学部を卒業した学生たちは、「ITに強いジャーナリストや編集者、雑誌や映像の編集・撮影スキルを生かしたクリエーター、広告戦略を学び、広告関連企業や一般企業の広報担当、メディア教育の専門知識を生かして教育産業などに職を得ていきます」(岡田教授)。そうした学生たちが制作実習という表現方法の学びに寄り添うシステム環境となったと言えるだろう。"学生ファースト"へさらに進化したのである。

卒業を間近にする北垣君は、「学校外でのイベントや、企画のプレゼンテーション、個人事業の仕事など、さまざまな場面で伝える力が重要だと認識することが多いので、そういう部分で役立ちました」と振り返った。

(月刊ニューメディア2020年1月号より転載)
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