EVSニュースレター1月号 ~徹底解説!IPゲートウェイ「NEURON」/超低遅延圧縮技術「JPEG-XS」~

2022年最初のEVSニュースレターでは、2021年11月に幕張メッセで開催された「InterBEE2021」の弊社ブースにて、大きな反響をいただいた「リモート中継コーナー」でご提案したEVS社IPゲートウェイ「NEURON」の製品情報と、日本のお客様のニーズに応えて「NEURON」に実装された、低遅延圧縮技術「JPEG-XS」に関する情報を徹底解説いたします。

製品情報|IPプロセッシングプラットフォーム「NEURON」

昨今、IPを活用した番組制作に対する関心が益々高まっている一方で、SDIとIPのリソースが混在したインフラの構築には運用や管理面での課題が少なくありません。全ての製品がIPに対応していればまだ良いのですが、SDI製品も世の中に溢れています。

そこで、SDI製品とIP製品が混在しているこの過渡期に必要になるのが、SDI/IPのワークフローにおいてシームレスな橋渡しを実現するIPプロセッシングプラットフォーム「NEURON」です。

EVSニュースレター1月号~徹底解説!IPゲートウェイ「NEURON」/超低遅延圧縮技術「JPEG-XS」~

IPプロセッシングプラットフォーム「NEURON」は、1RUという非常にコンパクトなサイズにも関わらず、最大で64ものSDIポートを持っています。さらに、SDI⇔IP変換だけでなく、その他にも様々な機能を搭載しています。

EVSニュースレター1月号~徹底解説!IPゲートウェイ「NEURON」/超低遅延圧縮技術「JPEG-XS」~

~機器を集約し効率化へ~

様々な機能を搭載している「NEURON」を使うことで、今まで機能ごとに機器を用意しなければならなかったものを下図のように「NEURON」に置き換えることも可能になります。

EVSニュースレター1月号~徹底解説!IPゲートウェイ「NEURON」/超低遅延圧縮技術「JPEG-XS」~

参考情報:EVS社ニュースリリース

製品情報|徹底解説!超低遅延圧縮技術「JPEG-XS」とは

IPで設備構築をおこなううえで、必ずと言って良いほど出る課題。
それはネットワークインフラのコストです。

たとえば、”ST2110-20″の場合、映像信号を非圧縮で伝送をおこないます。帯域幅はHD画質で約1.5Gbpsになり、これでは、従来の1Gbpsの帯域幅を持つCat5eケーブルでは伝送することができません。
IPで設備構築をおこなう場合には、10Gbps以上のインフラが必須になります。社内であればこの問題は多少軽微になるかもしれませんが、これを社外、いわゆるライブ中継制作や拠点間での映像伝送で実現しようとすると、そのコストに大きな影響を与えることになります。

EVSニュースレター1月号~徹底解説!IPゲートウェイ「NEURON」/超低遅延圧縮技術「JPEG-XS」~

そこで、このような課題を解決するにあたり、”共通規格化された圧縮技術”として”JPEG-XS”が登場しました。

“圧縮”と聞くと、他にもプロトコルを思い浮かべるのではないでしょうか?
たとえば、Web系プロトコルです。しかし、Web系プロトコルは、遅延を考慮するとライブ制作では不都合なことがあります。

SDIで伝送する際に遅延するでしょうか?答えはNOです。

“JPEG-XS”は、あくまでST2110-20の圧縮規格(ST2110-22)です。いわばSDIとなんら変わることなく使えるのです。そうでなければ意味がありません。低遅延伝送ができないと少なくともライブ制作には向きません。

さらに、”JPEG-XS”では、圧縮比を可変でき、10分の1にすることも可能です。たとえば、HDの画質で約1.5Gbpsの帯域を要していたものが約150Mbpsで済むことになります。つまり、Cat5eのケーブルでも余裕をもって伝送することができますし、最大6ストリームほどの伝送が可能になります。これにより、追加の投資も不要になりますし、今お持ちのインフラそのままでおこなうことも可能になり得ます。

“JPEG-XS”は、主に以下の3つのポイントがあります。

  • 共通規格であるST2110-22
  • 超低遅延
  • ビジュアルロスレスの圧縮

ST2110-22は共通規格として誕生したものなので、対応機器同士であれば基本的に送受信が可能と言えます。たとえば、他社様のエンコーダーで”JPEG-XS”へエンコードした信号を「NEURON」でまとめて受信しデコードを行うことも理論的には可能です。

遅延について

前述のとおり、ST2110-22は規格化されており、その中に遅延量も定義されています。フォトロンの社内環境における計測最短値の結果は以下のとおりでした。

ENC=4Line DEC=4Line その他(ボードの処理)=2Line 計10Line

1フレーム未満での遅延なので、SDIモニターで表示されるときには遅延を感じることはありません。

圧縮について

“JPEG-XS”は、圧縮率の可変が可能です。
20分の1から5分の1まで圧縮率を変更でき、たとえば、本線で使用する場合は5分の1、マルチビューアなどのモニタリング用であれば20分の1など、用途やインフラに合わせて変更することができます。

フォトロンでは、様々なIPのPoCに参加することによって、今後もIPに対する知見を常に蓄積して参ります。
実際に「NEURON」“JPEG-XS”の画質をご覧になりたい、もしくは、「NEURON」を使ったリモ―トプロダクションの検証をおこないたいなどのご要望がありましたらお気軽にご連絡ください。

< 次号予告(予定) >

次号のEVSニュースレターでは、InterBEEで反響の大きかった、フォトロンがご提案する新しい”セントラライズ収録システム”についてのご紹介を予定しております。ぜひご期待ください!

記事をシェア

お客様の課題や要件に合わせて
製品とワークフローをご提案します

お問い合わせは
こちらから

専門知識を持った担当者が
お客様の課題や要件をお伺いします

お電話でも
お問い合わせできます

平日9:00~18:00

03-3518-6273