2020年10月号
~IBC最新情報:ブロードキャストコントローラーCerebrum~

今号のEVSニュースレターでは、「IBC2020(International Broadcasting Convention)」で発表された最新のEVS製品情報をはじめ、10月15日(木)に開催予定のIPライブプロダクション関連製品およびソリューションをご紹介する「"IPライブ"プロダクション プロダクト&ソリューションウェビナー」詳細情報をお届けします。

製品情報|IBC2020最新情報
ブロードキャストコントローラーCerebrum ケーススタディ

ブロードキャストコントローラーCerebrumとは

中継車内のシステム、スタジオ設備などアプリケーションにより役割が変わってきますが、ブロードキャストコントローラーは、デバイスとの接続をおこなうシステムであり、操作に必要な画面や情報を表示し、実現したいワークフローを管理するシステムです。

IBC2020最新情報 ブロードキャストコントローラーCerebrum ケーススタディ

< Cerebrum主な特長 >

  • デバイス制御・監視
  • 各種機能(ルータ制御・タリー-UMD)
  • 安定性
  • シングルユーザーインターフェース
    • 誤操作制御
    • 問題検知までの時間短縮
    • オペレーション/セットアップスピードアップ
    • 制作現場のオペレーションコストのスリム化
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< Cerebrum画面例 >

画面はユーザーまたはアプリケーションごとに異なり、分かりやすい画面ほど誤操作制御が可能です。

VTR/EVSオペレーター画面(中継制作 6CAM規模)
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モニタリング画面(サムネイル表示)
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中継システム俯瞰図
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実制作環境をイメージ
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デバイス内の信号の流れ
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ワークフローイメージ図
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なぜブロードキャストコントローラーを活用するのか

中継設備が大きくなるにつれ、選任エンジニア/デスク依存がボトルネックとなっており、たとえば何か分からないことが出てくると資料をひっくり返して調べるといったことが起こっていました。
ブロードキャストコントローラーを活用すれば、このようなことを、いくぶん緩和もしくは省略することが可能になります。

たとえば、カメラマンへの指示出しには、「UMD(モニターのソース名)」が必要ですが、ディレクターにモニター写真入りのタブレットを渡せば、各カメラをドラッグ&ドロップ操作で設定できます。結果、中継制作を成立させる事に専念できるようになりました。

  • 権限移譲は可能ですか?

    システムの一定箇所の制御権を渡すことが可能です。
    各セクションの担当が都度責任者に確認する必要もありません。即時で設定変更が可能です。

  • ライブプロダクションとブロードキャストコントローラー

    中継現場は限られた期間で異なる要素を組み合わせて現場を成立させる必要があります。
    「Cerebrum」は、主にルーターの制御インターフェースで使っています。バーチャルソース機能を使うと、仮にあるカメラソースに不具合が生じても、ワンボタンに復旧可能です。
    通常は、カメラソースをルーターのLow(列)に設定し、CCU側の設定をし直します。「Cerebrum」上では、あくまで配下のルーターのDestinationの一つに過ぎませんので、ソースを再設定しワンボタンで、反映されます。障害ポイント早期発見/ダウンタイムが抑制できます。

  • 従来の復旧時間は?

    約5分です。復旧したソースを使うためにパッチし直したりします。
    コントロールシステムでは文字通りワンボタンで運用再開が可能です。

  • ブロードキャストコントローラーなしでの運用を想像できますか?

    正直、考えづらいと思います。今となっては思考の一部になっています。
    何か問題が発生すると、「Cerebrum」でどのように解決しようかと考えています。

  • IPに移行しようとしている中、コントローラーの意義やあるべき姿は?

    (NEP UKでは)2年前からIPへの移行を進めています。Cerebrumをフロントエンドのシステムとして使い初めました(ルーター制御やUMD/タリー設定の管理)また、画面なしでは調整に時間がかかる、異なるデバイス間のGlue(つなぎ)の役割を担っています。IP OBVにはSDIルータも残っていますが、SDI・IPを意識せず使っています。

  • IP OBVでの課題?

    各種IPデバイスの直接制御(デバイスマネージャ経由でなくネイティブでの制御)が可能になると嬉しいです。デバイス間の連携に苦労することもあります。
    IPインターフェースを持ったCCUとゲートウェイと連携させ、SDIで出力をしたり、SDIで入力したりといった連携ができています。
    初期のIPシステムではポートを二重取りしてしまう、管理不足で設定をリセットしてしまう等聞きます。
    Cerebrumで帯域制御までできるようにしていません。現在は他の仕組みでやっています。ネットワーク上で何が起こっているか、コマンドを叩いて調査するのもいいですが、より多くの人に関わってもらうには、分かりやすいインターフェースが必要だと思います。

  • システム規模はどのくらいですか?

    「Cerebrum」はx11システム 、中継車は4台で、可搬システムは5セットです。
    「Cerebrum」を使うと可搬システムも一つのIPシステムとして使えます。また、即時に分離して使うこともできます。Cerebrumでは凡そ50~150のデバイスを制御しています。

What's Next? v2.01

  • IPルーティングライセンスの拡充

    • NMOS/非NMOSデバイスの統合
    • エンドポイントサポートの追加
    • 帯域制御[SDN/NMS対応]
    • クリーンスイッチ[MBB/BBM]
  • リモート環境

    • リモートデバイスの管理
    • API・プロトコル(16追加) NEW
  • 次世代のコントローラー、SDI同等の使用感

    • ネットワークパスの指定で障害管理
    • リアルタイムでの帯域監視
    • ポートの二重取り防止
    • タイムライン機能
    • EVSとの連携
      • コンフィグ変更
      • XNET VIA監視

製品情報|IBC2020最新情報
リモートプロダクションウェビナー
(BROADCASTACADEMY&EVS)

ブロードキャストアカデミーとは、国際レベルのスポーツ放送制作のレベルを改善していくことを目的にHBSによって設立されました。ここでは、IBC2020でおこなわれた本内容のパネルディスカッションの一部をご紹介します。

James STELLPFLUG
SVP Market EVS
Gordon CASTLE
SVP Technology Eurosports
*全米オープン等 世界規模の制作を担当
Emillie PLANAS
CTO and Operations Manager ,Media Pro
*LaLiga(スペインサッカーリーグ)の制作を担当

リモートプロダクションとは

  • 大きな潮流。技術で制限される事は今やそれほど多くない [Gordon;Eurosports]
  • 顔を合わせた意思疎通こそできないが、やり方次第、大きな問題はない [John;Director]
  • 課題はInteroperability;ネットワーク問わず、あらゆるデバイスが接続 [MediaPro;Emili]
  • 場所を問わず制作できる事は極めて重要 [Fred;Adobe]
ライブプロダクション
ライブプロダクション 中継現場より放送局経由で視聴者に放送

中継現場より放送局経由で視聴者に放送

リモートプロダクション
リモートプロダクション 2020年になり中継現場、制作機材、制作場所が同一の場所でないケースも出てきている

2020年になり中継現場、制作機材、制作場所が同一の場所でないケースも出てきている

VAR、ライブプロダクション、リプレイ・映像効果
VAR、ライブプロダクション、リプレイ・映像効果 アセット管理等多岐にわたる

アセット管理等多岐にわたる

各社の工夫と新たな発見

  • 現場の"臨場感"を視聴者に届ける試み。LEDに描写し"現場体験"を試みた(US OPEN)
  • カメラポジション変更。観客席にスクリーンを設置。普段かき消されるパンチ音が鳴り響き、試合中のコーナーマンの指示は反響が高かった(Socialy Distanced Boxing)

家からの制作の実現は

  • 実現できる事は専用・公衆回線で同一にはならないが、正副とする等の工夫次第 [Emilli]
  • モニタリング・制御信号のハンドリングは公衆回線でもやり方次第 [Gordon]

主な論点

  • ソフトウェアソリューションの役割
    • 先進技術を活用した最適ツールの提供(使用感は変えず)
      例:クラウドとプロキシーでコンテンツのセキュリティを解消、AIで自動化 [Fred/Adobe]
  • 制作規模/質
    • オンラインが当たり前の若者への影響はそこまで大きくないのかもしれない [John]
    • 中小規模の方がリモートプロダクションには適しているのかもしれない [Emilli]
    • 制作を依頼しやすくなるのでは。過去に戻る事は余り望んでいないと思う [Gordon]
    • 制作機会が増える事も期待できるので制作レベルの向上が望めると思う [Emilie]
  • IP+IT等の先進技術の活用
    • IPは単なるSDI伝送の代替に留まらない+IT活用で”柔軟”なシステムを実現できる
      例:75か国/90言語に対応するIPルーターは4000IN(SDIルーターでは非現実的)
      ただし、システム管理には苦心。自動設定ツール等があると嬉しい [Gordon]
    • システムの設計が変わる。コントロールレイヤーのソリューションをEVSも強化 [James]
  • 現時点の課題
    • Interoperability(相互接続性)の確保。各種ベンダーのデバイスの遠隔制御が肝 [Emilli]
    • 業界全体がIT Friendlyになる必要はあると思う [Gordon]
    • 要素技術は成熟しつつある。これらを活用できるIT系のナレッジや人材 [Fred/Adobe]

イベント|"IPライブ"プロダクション
プロダクト&ソリューションウェビナー

2020年10月15日(木)、フォトロンが取扱うIPライブプロダクション関連製品およびソリューションを紹介する『"IPライブ"プロダクション プロダクト&ソリューションウェビナー』を開催します。

SMPTE ST2110、NMOSといった標準規格・要素技術に加え、NDI、XNet-VIAなどのメーカー独自のIP技術/規格も数多く登場しています。近年、こうした技術を活用した様々な形でのIPライブプロダクション(リモートプロダクション、クラウドライブプロダクション等)の事例が増えている中、新型コロナウイルス/COVID-19の影響も加わり、その動きはさらに加速・拡大しつつあります。

本ウェビナーでは、フォトロン及びパートナー各社のIPライブプロダクションへの取組みや提案を、その中核となる製品とともにご紹介します。
この機会に是非お気軽にご参加ください。

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