2015年10月号
放送業界におけるIPベース移行 最新ニュース

最新ニュース|放送業界におけるIPベース移行

今号のニュースレターでは、9月10日からの6日間、オランダ・アムステルダムのAmsterdam RAIで開催された欧州最大の国際放送機器展『IBC2015』での最新ニュースをはじめ、放送業界におけるIPベース移行をテーマに、最新情報をご紹介します。

IBC2015『Video over IP』がテーマ

『Video over IP』がひとつのキーワードとなった今年の『IBC2015』は、170カ国から1,800社以上が出展し、昨年を上回る55,182名の来場者がありました。もはや「4K」は当たり前となり、4K制作ワークフローの構築や、放送業界のIP化実運用へ向けたデモや提案が、各ブースで活発におこなわれていました。

IBC2015 IABM コンテンツ及びコミュニケーションインフラ部門 授賞式

IBC2015 IABM コンテンツ及び
コミュニケーションインフラ部門 授賞式

EVSブースでは、スポーツプロダクション世界標準4K/HDビデオサーバ「XT3」の12ch正式リリースバージョンの展示や、スーパースローカメラ対応の拡張だけでなく、オペレータの制作環境を強力にバックバックアップする新コンセプト"Dual LSM"を発表し、来場者が熱心に説明に聞き入る姿が見受けられました。また、マルチアングルセカンドスクリーンソリューション「C-Cast」が、その優れた能力を評価され、IBC2015 IABM(国際放送機器製造者協会)コンテンツ及びコミュニケーションインフラ部門で最優秀賞を受賞し、ブースはお祝いムードに包まれました。

IP4LiveをテーマにしたEVSブース

IP4LiveをテーマにしたEVSブース

EVSブースのなかでも特に来場者の関心を集めたのは、Cisco社と共同で実施した、IP/IT移行への戦略的取組み『IP4LIVE』のデモンストレーションでした。そのほか、次世代IPベーススイッチャー「DYVY」の紹介などもおこなわれていました。

放送業界におけるIPベース制作への移行

放送業界では既に、IP技術がファイルベースワークフロー、ポストプロダクション、コンテンツ収集と配信などで使われていますが、ライブ制作のIP化は"最後の砦"となっていました。しかし、ここ数年でこの‟最後の砦“の状況も変わり始め、IP/ITベースのソリューションが確立されつつあります。

今回のIBC2015では、会場内のEVS社ブースとCisco社ブースを「IPネットワーク:非圧縮」で接続し、次世代リモートプロダクションを想定したIPベースのデモンストレーションがおこなわれました。Cisco社標準のIPスイッチ及びSDN(Software Difined Architechture)と、EVS社の新型ゲートウェイ『XiP(SDI/IP変換機)』を利用し、低遅延で高解像度素材をIPで入出力する様子に、多くのお客様が足をとめて質問する姿が見受けられました。また、制作をおこなううえで最も重要な映像に必要な帯域を割り当てながら、残りの帯域を動的にベストエフォートでファイル転送等へ活用できる付加価値も合わせてご覧頂きました。

IBC2015 "IP4LIVE" デモセットアップ

<Cisco社ブース>

  • ① SDI:ベースバンドで入力された素材をIP変換
  • ② IPベースに変換された素材を、IPネットワーク(10GbE)でEVS社ブースに伝送

<EVS社ブース>

  • ① IPベースの素材をSDIに変換し、制作に活用

このデモンストレーションセットアップでは、SDIとIPベースの機材が混在していても利用できるようになっており、SDIベースの既存設備を必要最小限のコストでIPベースにする(または共存させる)ことが可能です。また、オペレータのワークフローが変わらない点も大きなメリットといえます。LSMオペレータは、SDIがルーティングされたセットアップ環境なのか、IPベースのネットワークでセットアップされた環境なのか、ということを意識する必要もなく、普段通りのオペレーションで制作を進めることができます。

ライブ制作IP移行を成功させる条件とは

EVS社は、ライブ制作でIP化への移行を成功させるキーワードとして「オープン」「相互互換」の2つを掲げています。技術を「オープン」「相互互換」とする、つまり「標準化」することで、ユーザーの皆様の選択肢が広がり、各ベンダーの技術を精査して組み合わせ、"いいとこ取り"ができるのです。

このようなキーワードに従って、IBC2015で参考出展したEVS社の新型ゲートウェイ『XiP(SDI/IP変換機)』は、GrassValley、ImagineCommunications、Nevionや他の業界をリードするベンダーと相互互換、連携しており、ネットワークの制御の部分ではCisco、Arista社との連携をおこなっています。

IP移行における課題とEVS社の取り組み

IP移行

ライブ制作をIP化するには、技術的な課題も残ります。

コンテンツがHD、4K、8Kと高解像度化し増え続けるなか、「必要な時」に「必要な場所」へ確実に届けるには"適切な圧縮技術"が必要となります。現状では、UHDコンテンツをSDIで伝送するには、3G-SDIのケーブルが4本必要ですが、これだと、配線も煩雑になりがちで、設置スペースにも限りがあります。

このような課題への取り組みとして、EVS社は、TICO連盟に加入しました。TICO連盟はGrassValley、Imagine Communications社、Artel Video Systems 社、Embrionix、IntoPoxやRossといった、いずれも放送業界の技術をリードする企業で構成されています。TICOとは、"Tiny Codec"の略で、IP化の課題を打破する新しい圧縮技術で、映像品質を落とさず、最大4:1の映像圧縮率を実現します。TICOは1x UHD/4K 2160p 60のストリームを1本の3GのSDIで伝送するとされています(10GbE 1本のネットワークでは最大3本の4K/UHDの伝送を可能)。この新規格では、最低限のレイテンシーで、扱い易く、映像品質を最大限保つことが可能となります。

EVS社CEO Benoit Fevrier氏は、こう話します。
『IPへの着実な変遷と、将来4KやUHDなど、更に高画質な映像の伝送が求められるなか、次世代の映像制作と伝送においては適格な圧縮技術が必要と考えています。TICOはこの変遷においては重要なステップとなり、EVS社としてはこの規格の完成に最善を尽くしIPベースのエコシステムの発展に寄与したいと考えています。』

ケーススタディ|世界初 完全IPベースの放送用スタジオ

世界初 完全IPベースの放送用スタジオ

EBU(欧州放送連盟)とベルギーの国営放送局VRT社は、数々の技術パートナー会社と提携し、Live IPプロジェクトを立ち上げました。この提携で世界初の完全IPベースのライブ制作スタジオが誕生し、2015年IMBデザインと技術革新賞に選出されました。
VRT本社ブリュッセルに位置するこのスタジオは、ITベースのインフラとソフトウェアが採用されており、番組制作を短時間に効率的にそしてコストを最小限に抑えることができます。

VRT社 技術/オペレーション責任者Mick DeValck氏は、こう話します。
『このプロジェクトは、IPベースで作る番組制作のワークフローがもたらす付加価値の集大成であり、リソースを有効活用したり遠隔地での制作(リモートプロダクション)、そして自動化といった機能を提供してくれます。』
技術パートナーはAxon、Dwesam、EVS、Genelec、GrassValley、Lawo、LSB、Nevion、TektronixやTrilogy等から成り、IPベースで構築するLIVE番組制作システムの各構成を担っています。このシステムのコンセプトは、SMPTE-2022/6、AES67やPTPと言った「オープンな規格」を採用するところにあり、マルチベンダーで構築したシステムで放送フィードをSDNを通じて伝送しています。番組制作を短時間に行えるだけではなく、効率的にコストを最小限に抑えることができるのです。さらに、スイッチング作業をシームレスにおこなえ、非圧縮映像と音声フィードの冗長性を担保し、これら全てをIPベースのネットワークで伝送しています。

EBSメディア基盤/制作技術のトップHans Hoffmann氏は、こう話します。
『このスタジオを構築した意義は大きく、完全にIPのみで最先端のワークフローを実現するスタジオを構築できたという点は、放送業界全体の「相互互換」を更に次の次元に引き上げてくれる意味で、非常に大きな歩みです。』

イベント|InterBEE2015 フォトロン EVSコーナーのご紹介

2015年11月18日(水)~20日(金)の3日間、幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される『InterBEE2015』に出展します。EVSブースでは、『スポーツ』『エンターテインメント(ドラマ/バラエティファイル収録)』をメインテーマに、国内初出展の最新ソリューションを出展します。

開催日時
2015年11月18日(水)~20日(金)10:00~17:30(最終日は17:00まで)
会場
幕張メッセ
フォトロンブース
ホール3 3113

スポーツ

スタジアム

エンターテインメント(ドラマ/バラエティファイル収録)

イベント|EVSユーザーミーティング 開催決定

EVS製品をご使用いただいているユーザー様を対象に、『EVSユーザーミーティング』を開催します。お食事・飲み物を楽しみながら、ユーザー様同士のコミュニケーションの場として、また、ユーザー様の生の声を直接お聞きする場として有意義な時間を過ごしていただけるよう企画中です。詳細については、別途ご案内いたしますので、ぜひお楽しみに!!

開催日時
2015年11月18日(水)18:30~(InterBEE2015の1日目終了後)
会場
東京駅周辺を予定しております。

昨年のEVSユーザーミーティングの様子

昨年のEVSユーザーミーティングの様子

イベント|EVSフェア2015 レポート

EVSフェア2015

東京(9月3日(木)~4日(金))・名古屋(9月7日(月))・大阪(9月18日(金))の3拠点で、EVSで実現できるすべてのソリューションを5つのテーマでご紹介する『EVSフェア2015』を開催しました。当日は多くのお客様にご来場いただき、お陰様で大盛況のうちにイベントを終えることができました。

当日は、豊富なEVS製品ラインナップのなかから、マーケットに合わせたソリューションを5つのセッションでご紹介しました。

ご来場のお客様からは、『最新のMulticam14を利用することで「XT312ch」サーバ運用など制作に影響するメリットを知ることができた』『最近の事例とともにEVSでCGグラフィックまで管理できることに驚いた』などのお声をいただきました。

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